メモ

読書

宮西建礼「もしもぼくらが生まれていたら」。電子書籍で読んでいる伴名練編『新しい世界を生きるための14のSF』ハヤカワ文庫、所収の一編。途中、ヒントがいくつかあったにもかかわらず、高校生が主人公のおもしろい歴史改変SFだなと思いつつ読み進み、ラストに至って、あっ!と気持ちを揺さぶられた。そうか、そうだったんだ……。そして、タイトルの意味するところにあらためて気づいて、さらに心をつかまれた。自分がぼーっとしていただけだけど、すごいなと思う。

新しい世界を生きるための14のSF

著者の宮西建礼さんの次からのスレッドも参照。

# 読書

ちょっと読んでみている。わかるような、わからないような……。なんて、おこがましいですね。

創造力なき日本 アートの現場で蘇る「覚悟」と「継続」
  • 『創造力なき日本 アートの現場で蘇る「覚悟」と「継続」』
  • 村上 隆
  • KADOKAWA
  • 2012年10月09日頃
  • ISBN: 9784041103302
  • 角川新書

世界ではこう戦え。第一線で活躍を続ける著者が生み出した個人の力を最大限に発揮する仕事術とは。

# 読書

村上春樹さんの『街とその不確かな壁』。うーん……全体としては、あまりおもしろくなかったな。少し書いてみる。

登場人物が、書き割り的というか……。なんだか、あまり思い入れなく描かれているような気もした(とくにイエローサブマリンの少年の扱われ方は少し違和感)。物語も、力強さというかダイナミズムというか、そういうのを感じなくて、少々こぢんまりとしている印象。たとえば『海辺のカフカ』とか『1Q84』とかは、そんな感じはなかった。振り返ってみると、1つ前の長編『騎士団長殺し』から、なんとなく上述のような感触があった気がするが、今回は、その傾向がさらに強まったように思える。1部はまとまっていたけど、2部は冗長で迷走ぎみに感じたし、逆に3部は簡単すぎて物足りない感がある。これは本当に物語の終わりなのかなとも思った。もしかすると、ここまで書いたことは実は作者が自覚的に行っていることかもしれない。

その一方で、個々の表現は、本当にクリアというか、切れ味がよくて、実に鮮やかだなと思った。もう人物とか物語とかよりも、そのつどの表現の連なりに身を任せていくのがよいのかもしれない。

ただなあ、なんというか、もう相当な年齢なのに、どことなくこじらせているような……。いや、あくまで個人の感想です。

# 読書

村上春樹さんの『街とその不確かな壁』を読んでいる。第一部、なんとなく新海誠さんの『秒速5センチメートル』を思い起こすところがあるような。主人公の男性の心理というかなんというか。

街とその不確かな壁
  • 『街とその不確かな壁』
  • 村上 春樹
  • 新潮社
  • 2023年04月13日
  • ISBN: 9784103534372

その街に行かなくてはならない。なにがあろうとー。高い壁と望楼、図書館の暗闇、古い夢、そして、きみの面影。村上春樹が、長く封印してきた“物語”の扉が、いま開かれる。

# 読書

椎名誠さんの『失踪願望。』を少し読んでいる。2021年時点で、富士通のワープロ専用機「OASYS」を使われていることに驚く。2001年の生産中止発表のときに4台購入し、また他の作家さんからもらったりもしたとのこと。すごいな。

失踪願望。 コロナふらふら格闘編
  • 『失踪願望。 コロナふらふら格闘編』
  • 椎名 誠
  • 集英社
  • 2022年11月25日頃
  • ISBN: 9784087817249

シーナ、よろよろと生還す。後遺症、進む老い、進まない原稿、募る一方の失踪願望。78歳ーサイアクときどきサイコウの、ある1年の記録。壮絶書き下ろし「新型コロナ感染記」収録。

# 読書

村上春樹さんの『一人称単数』。「謝肉祭(Carnaval)」。うーん、ちょっと付いていけない。とくにテーマはないと言ってもいいのだろうけど、それとなく示されているように見えるテーマそのものは、おもしろいなと思う。でも、舞台装置というか、まわりの描写にはなんとなく抵抗感を覚えてしまう。加えて、いつも通りといったような印象を持ってしまった。あるいは、クラシック音楽の素養があると、また別の趣を理解できるのかも……。いや、あくまで個人の感想です……。

# 読書

村上春樹さんの『一人称単数』。「『ヤクルト・スワローズ詩集』」。おもしろい! いいなあ、この感じ。でも、これ、ほとんど実話というか、小説ではなくエッセイのようにも読める。ということでネットで検索したら、一番に挙がっているのが村上春樹「幻のヤクルト詩集」探してみた 文章に矛盾?意外な真相。 詩集それ自体は結局、ジョークらしい。で、上の記事は2017年5月26日付で、この短篇小説(?)の初出は今回の文庫巻末の記述だと『文學界』2019年8月号。とはいえ、上の記事で説明されているが、どうも2015年にはこの短篇小説(?)の原型(?)が書かれたようだ。なるほど。詩集はジョークでも、ここに書かれているエピソードや心情はほとんど事実のような感じがする。それはともかく、自分は球場で野球の試合を見たことがほとんどない。だからか、ここで描かれている野球観戦、とても魅力的に感じる。機会があれば観に行ってみたいなと思った。

# 読書

村上春樹さんの『一人称単数』。「ウィズ・ザ・ビートルズ With the Beatles」。長めの短編。うーん……途中の展開はおもしろく感じたし、なんだかホラーめいた感触もあってよかったのだけど、その前後がどうも付いていけない。描写の仕方に引っかかったし、最後の方もどうかと思ったし、(そのようなものがあるとして)バランスが少しくずれている気もした。いや、あくまで個人の感想です……。

# 読書

村上春樹さんの『一人称単数』。「チャーリー・パーカー・プレイズ・ボサノヴァ」。不思議なお話。3つのパートに分かれていて、そのすべてがタイトルの通り。ラストの一文がわかったようでわからない。ふつうに考えて、どれも「実際に起きたこと」ではないのだけど……。でも、そういうことが起きるかもしれない、そう思わせてしまう、そうであったらとつい思ってしまうのが、音楽ということかな。ちょっと無理やり。

# 読書

村上春樹さんの『一人称単数』。「クリーム」。とてもおもしろい。なんとなく人生訓のような趣もあるけど、そうじゃない気もする。何かの例えのようにも読めるけど、それほど単純じゃないかもしれない。意味のわからない出来事が生じて混乱し、ひどく疲れてしまう。たとえば宗教的なものに断言を求めても、それも得られない。そんななかで、そこから完全に抜け出るわけではないけど、それと折り合っていく。そういう姿勢?

# 読書

村上春樹さんの『一人称単数』が文庫の新刊で出ていたので購入。単行本のときは読んでいなかった。最初の「石のまくらに」。うーん。なんというか、性的なものの描写とか、隅々にただよう虚無感(といっていいのか?)とか、いかにもという感じ。最後に出てくる「言葉」についての記述が印象深い。

一人称単数
  • 『一人称単数』
  • 村上 春樹
  • 文藝春秋
  • 2023年02月07日
  • ISBN: 9784167919948
  • 文春文庫

ビートルズのLPを抱えて高校の廊下を歩いていた少女。同じバイト先だった女性から送られてきた歌集の、今も記憶にあるいくつかの短歌。鄙びた温泉宿で背中を流してくれた、年老いた猿の告白。スーツを身に纏いネクタイを結んだ姿を鏡で映したときの違和感ーそこで何が起こり何が起こらなかったのか。驚きと謎を秘めた8篇。

# 読書