メモ

文庫情報

今年に入って4月までの中公文庫から気になるもの。だいぶ多い……。

鉄道文学傑作選
  • 『鉄道文学傑作選』
  • 関川夏央
  • 中央公論新社
  • 2024年01月23日
  • ISBN: 9784122074675
  • 中公文庫 せ9-3

明治の鉄道開設以来今日まで、鉄道と文学は深く結びついてきた。風景描写、心理描写、舞台装置、トリックなど、作品を豊かに彩り、多くの名作を生み出した。本書では、小説・随筆・詩歌・日記と多彩な作品を取り上げ、それぞれに解説を付し、「日本の近代」を形作った装置としての鉄道と、その文学への影響を読み解く。

推理小説作法
  • 『推理小説作法: 増補新版』
  • 土屋隆夫
  • 中央公論新社
  • 2024年01月23日
  • ISBN: 9784122074699
  • 中公文庫 つ35-1

推理小説とは何か?そしてその作法とは?日常的な発想法のヒント、創作メモの取り方、プロット作り、ストーリイの構成…鮎川哲也とともに戦後の本格ミステリシーンを支えた巨匠による、超実践的創作指南。長年多くの実作者・読者から支持を得てきた著作に、自身の作家人生をふりかえる晩年のインタビュー/エッセイ二篇を増補。

カストロの尻
  • 『カストロの尻』
  • 金井美恵子
  • 中央公論新社
  • 2024年02月22日頃
  • ISBN: 9784122074811
  • 中公文庫 か15-5

ある本の一部から揺り動かされた記憶をたどって、別の本のページをめくるうち、眠っていた新たな記憶がよびさまされる…。さまざまな記憶の断片が、岡上淑子のコラージュ作品と響き合い、生み出された、十一の物語と批評。単行本版に、エッセイ、書き下ろし付記を増補。芸術選奨文部科学大臣賞受賞作。

キム・フィルビー
  • 『キム・フィルビー: かくも親密な裏切り』
  • ベン・マッキンタイアー
  • 中央公論新社
  • 2024年02月22日頃
  • ISBN: 9784122074897
  • 中公文庫 マ17-2

その男を語るキーワードは「魅力」。上流階級出身でケンブリッジ大学で学んだ愉快な男。幸せな結婚生活を送り一流クラブの会員でもある男。戦時特派員ののち今は諜報の世界を泳ぐMI6長官候補ー誰もが愛した英国紳士は、全員を裏切るソ連の二重スパイだった。衝撃の亡命までの三十年を、同僚との血まみれの友情を軸に描いた傑作ノンフィクション。

私の作家評伝
  • 『私の作家評伝』
  • 小島信夫
  • 中央公論新社
  • 2024年03月19日頃
  • ISBN: 9784122074941
  • 中公文庫 こ62-2

彼らから受け継ぐべきものとは何かー二葉亭・鷗外・漱石から宇野浩二まで、近代日本文学の代表的な文豪十六人の生涯と作品を、小説家ならではの躍動する批評精神で辿る。作家たちの文学的遺産の核心に迫り、著者自身のその後の転回点をも示す、異色の評伝集。第二十三回芸術選奨文部大臣賞受賞作。

ピース・オブ・ケーキとトゥワイス・トールド・テールズ
  • 『ピース・オブ・ケーキとトゥワイス・トールド・テールズ』
  • 金井美恵子
  • 中央公論新社
  • 2024年03月19日頃
  • ISBN: 9784122074927
  • 中公文庫 か15-6

日常の続きのように家を出て行った父、母と移り住んだ町、伯母の洋裁店で縫い上げられるドレス…。祖母や伯母、そして母の記憶と私の幼年期の思い出が複数の糸となって、重なりあい織りなされる甘美な物語。巻末にロングインタビューと、金井久美子のエッセイを増補する。

侍従長回顧録
  • 『侍従長回顧録』
  • 三谷隆信
  • 中央公論新社
  • 2024年03月19日頃
  • ISBN: 9784122075009
  • 中公文庫 み57-1

第二次大戦下に仏大使としてペタンと行動をともにし、戦後は学習院次長を経て、昭和23年6月から侍従長に就任した。GHQの方針により地方巡幸が再開されると、朝鮮戦争、サンフランシスコ講和条約など激動の時代のなか、九州から北海道まで、昭和天皇のお供をした。また東宮(現上皇)御外遊の在任十七年間を穏やかな筆致で綴る。

歴史に消えたパトロン
  • 『歴史に消えたパトロン: 謎の大富豪、赤星鉄馬』
  • 与那原恵
  • 中央公論新社
  • 2024年03月19日頃
  • ISBN: 9784122075016
  • 中公文庫 よ58-2

武器商人の父が遺した莫大な資産をつぎこみ、日本初の学術財団「啓明会」を設立、柳田國男ら錚々たる学者の研究を支援。アメリカからブラックバスを移入し釣りの世界で名を馳せ、弟たちと日本のゴルフ草創期を牽引。吉田茂など華麗なる人脈を持ちながら、ほとんど何も残さずに世を去った実業家、赤星鉄馬。その謎に満ちた一生を追う。

消え失せた密画
  • 『消え失せた密画』
  • エーリヒ・ケストナー/小松太郎
  • 中央公論新社
  • 2024年04月22日頃
  • ISBN: 9784122075139
  • 中公文庫 ケ9-1

ベルリンで長年真面目に働いてきた肉屋の親方キュルツは、突然すべてが嫌になって家出し、コペンハーゲンにやって来た。そこで高価な密画を運ぼうとする女性に協力を頼まれる。盗賊団や、謎の青年から狙われる密画を、人の良いキュルツは守れるか…。「抵抗の作家」がナチスからの迫害下に著した痛快ユーモアミステリー。

# 文庫情報

今年に入って4月までの河出文庫とちくま文庫から気になるもの。

ナイン・ストーリーズ
  • 『ナイン・ストーリーズ』
  • J・D・サリンジャー/柴田 元幸
  • 河出書房新社
  • 2024年01月10日頃
  • ISBN: 9784309467931
  • 河出文庫

シーモア・グラースが語る、バナナフィッシュの悲しい生態(「バナナフィッシュ日和」)、少年たちが夢中になる笑い男の数奇な冒険(「笑い男」)、兵士に宛てられた小さな淑女からの一通の手紙(「エズメに、愛と悲惨をこめて」)。現実を綱渡りで生きるひとびとの一瞬を切り取った、アメリカ文学史上に輝く自選作品集。

ザ・ロード
  • 『ザ・ロード: アメリカ放浪記』
  • ジャック・ロンドン/川本 三郎
  • 筑摩書房
  • 2024年04月12日頃
  • ISBN: 9784480439499
  • ちくま文庫 ろー10-1

1892年アメリカ、16歳のジャック・ロンドンは初めて放浪の旅に出た。列車にタダ乗りして大陸を巡る旅は、苦しいながらも自由で、信じられない出来事の連続だった。無賃乗車や騙りの技術、刑務所でのサバイバル、警察との追跡劇、忘れがたいホーボー(放浪者)の仲間たち…『野性の呼び声』で知られる作家が、若き日の冒険を語る。生気に満ちた文体と鋭い視点が光る、アメリカ文学の隠れた名作。

本は眺めたり触ったりが楽しい
  • 『本は眺めたり触ったりが楽しい』
  • 青山 南
  • 筑摩書房
  • 2024年02月13日頃
  • ISBN: 9784480439321
  • ちくま文庫 あー15-4

積みあげたり、適当に開いたり、声に出して読んだり、ただ手にとって眺めたり…本の読み方に決まりはない、自由にやろう!本が好きな人は、みんな、いろんなふうに読んでいる。読まずに読む方法を知る人だっている。こころが軽くなり、読書が楽しくなって、もっと本を読みたくなる名著『眺めたり触ったり』が題名をすこし変えて、待望の文庫化。楽しい絵も満載!「文庫版への追記」もあり。

古本大全
  • 『古本大全』
  • 岡崎 武志
  • 筑摩書房
  • 2024年01月15日頃
  • ISBN: 9784480439345
  • ちくま文庫 おー34-11

買って、読んで、書いてきた。ライター、書評家として、四半世紀分の古本仕事の集大成。古本屋のお作法と流儀。ブックオフやネット販売の登場、女子の古本屋、中央線新世代古本屋の活躍、そして、突然のコロナ騒動まで。古本を愛しすぎる著者だからこそ書ける業界の変化と動向のあれこれ。出版コラム「愛書狂」など単行本未収録原稿も多数収録した文庫オリジナルのベスト・オブ・古本エッセイ集。

# 文庫情報

2023年11月刊行の平凡社ライブラリーから気になるもの。厳密には文庫ではないけど、文庫に含めてしまおう。

増補 借家と持ち家の文学史(956;956)
  • 『増補 借家と持ち家の文学史(956;956): 「私」のうつわの物語』
  • 西川 祐子
  • 平凡社
  • 2023年11月06日頃
  • ISBN: 9784582769562
  • 平凡社ライブラリー

明治から令和までに書かれた大量の小説群を、「一冊の大河小説」として読む、破天荒な試み。小説には、家制度の解体から核家族化を経て、一人暮らしが激増する現在までの「家」や「家族」、そして、その時の「私たち」が、何を感じ、望み、考えてきたのかが、繰り返し描かれてきた。戦争やパンデミックで孤立や分断が進むいま、小説は「私たち」の、どんな苦悩と希望を映すのか。世界文学へと続く、十二作品の論考を増補。

余生の文学(957;957)
  • 『余生の文学(957;957)』
  • 吉田 健一
  • 平凡社
  • 2023年11月06日頃
  • ISBN: 9784582769579
  • 平凡社ライブラリー

「言葉の他に人間の精神を全面的に動かし得るものはない」-。古今東西の文芸への深い造詣を持つ著者が、作品を自在に渉猟しつつ綴る、至福の文学論、文章論、そして人生論。「我々は若くなる為にも年を取る他ない」という名フレーズを含み、吉田健一のエッセイ中随一の人気を誇る名篇にして表題作「余生の文学」ほか、書物への愛情あふれる随想集。

# 文庫情報

2023年11月刊行のちくま文庫とちくま学芸文庫から気になるもの。

出久根達郎の古本屋小説集
  • 『出久根達郎の古本屋小説集』
  • 出久根 達郎
  • 筑摩書房
  • 2023年11月13日頃
  • ISBN: 9784480439161
  • ちくま文庫 てー10-5

古本屋店主にして作家となった出久根達郎。その古本小説のなかから傑作を選び出したアンソロジー。少年時代の本との出会い、下町の古本屋での修業時代、独立後の苦労など、著者自身の体験を作品化したもの。本に憑りつかれた人々の妄執の凄まじさ、一冊の本に込められた思い、人と本が織りなす様々な人生模様を描いた作品23編を収録。オリジナル・アンソロジー。

橙書店にて
  • 『橙書店にて』
  • 田尻 久子
  • 筑摩書房
  • 2023年11月13日頃
  • ISBN: 9784480439215
  • ちくま文庫 たー101-1

熊本にある本屋兼喫茶店、橙書店の店主が描く本屋と「お客さん」の物語。石牟礼道子さんが逝った日「ただただ悼みたい」と訪れた人。“書くこと”を焚きつけた渡辺京二さんの言葉。縁あって催した“村上春樹朗読会”の夜。雑誌『アルテリ』に寄稿するハンセン病患者「関さん」と交わした握手ー。文庫版のための書き下ろし・単行本未収録エッセイを増補する。

晩酌の誕生
  • 『晩酌の誕生』
  • 飯野 亮一
  • 筑摩書房
  • 2023年11月13日頃
  • ISBN: 9784480512161
  • ちくま学芸文庫 イー54-4

万葉の昔からはじまり、江戸時代に花開いた日本人の家飲み。当初健康のため、安眠のために飲まれていた「寝酒」は、灯火の発達とともにゆっくり夜を楽しむ「内呑み」へと変わっていく。飲まれていたのは濁酒や清酒、焼酎とみりんをあわせた「本直し」等。肴は枝豆から刺身、鍋と、現代と変わらぬ多彩さ。しかも、振り売りが発達していた江戸の町では、自分で支度しなくても、家に居ながらにして肴を入手することができた。さらに燗酒を売る振り売りまでいたため、家に熱源がなくても燗酒が楽しめた。驚くほど豊かだった日本人の家飲みの歴史を繙く。

# 文庫情報

2023年11月刊行の中公文庫から気になるもの。

野生の棕櫚
  • 『野生の棕櫚』
  • フォークナー/加島祥造
  • 中央公論新社
  • 2023年11月21日
  • ISBN: 9784122074477
  • 中公文庫 フ17-2

一九三七年ー若き人妻と恋に落ちた元研修医が、二人の世界を求める彷徨する(「野生の棕櫚」)。一九二七年ーミシシピイ河の洪水対策中、漂流したボートで囚人が妊婦を救助する(「オールド・マン」)。異なる二つの物語を交互に展開する斬新な構成で二十世紀文学に最大級の方法的インパクトを与えた、著者の代表作。

バルザック(上)
  • 『バルザック(上)』
  • シュテファン・ツヴァイク/水野亮
  • 中央公論新社
  • 2023年11月21日
  • ISBN: 9784122074453
  • 中公文庫 ツ2-1

『ゴリオ爺さん』『谷間の百合』ほか全九一篇、登場人物二〇〇〇人による壮大な「人間喜劇」を構想したバルザック(一七九九ー一八五〇)。富と名声を求めて旺盛な創作活動に邁進し、天才と俗物の間を生きた人間の栄光と悲惨をあますところなく描き切った本格評伝。

フィッツジェラルド10
  • 『フィッツジェラルド10: 傑作選』
  • スコット・フィッツジェラルド/村上春樹
  • 中央公論新社
  • 2023年11月21日
  • ISBN: 9784122074446
  • 中公文庫 む4-14

この一冊で見渡す作品世界ー。若くして洞察に富むデビュー期の輝き、早すぎる晩年の作ににじむ哀切。二十年でついえた作家としてのキャリアの中で、フィッツジェラルドが生み出した幾多の小説から、思い入れ深く訳してきた短篇を村上春樹が厳選。「エッセイ三部作」を加えたベスト十作を収録。

# 文庫情報

新刊文庫情報も、せっかくだし定期的にメモしておきたい。今回は2023年12月の岩波文庫と岩波現代文庫から。

シェイクスピアの記憶
  • 『シェイクスピアの記憶』
  • ホルヘ・ルイス・ボルヘス/内田 兆史/鼓 直
  • 岩波書店
  • 2023年12月19日頃
  • ISBN: 9784003770146
  • 岩波文庫 赤792-10

分身、夢、記憶、不死、神の遍在などのテーマが作品間で響き合う、巨匠ボルヘスの白鳥の歌。本邦初訳の表題作のほか、「一九八三年八月二十五日」「青い虎」「パラケルススの薔薇」を収録。精緻で広大、深遠で澄明な、磨きぬかれた四つの珠玉。巨匠の文学的遺言。

日本軍の治安戦
  • 『日本軍の治安戦: 日中戦争の実相』
  • 笠原 十九司
  • 岩波書店
  • 2023年12月19日頃
  • ISBN: 9784006004712
  • 岩波現代文庫 学術471

治安戦とは、占領地、植民地の統治の安定を確保するための戦略、作戦、戦闘、施策などの総称である。日本軍がおこなった治安戦(三光作戦)の発端・展開・変容の過程を丹念に辿り、加害の論理と被害の記憶からその実相を浮彫りにする。現在のウクライナ戦争やパレスチナ問題などを考える上でも示唆に富む一冊。

# 文庫情報

岩波文庫で英国古典推理小説集。おもしろそう。

「殺人があったのは二十二年前の今日――」。ディケンズ『バーナビー・ラッジ』とポーによるその書評、英国最初の長篇推理小説と言える「ノッティング・ヒルの謎」を含む、古典的傑作八編を収録(半数が本邦初訳)。読み進むにつれて、推理小説という形式の洗練されていく過程がおのずと浮かび上がる、画期的な選集。

# 文庫情報

7月の集英社文庫と文春文庫から。ちょっと遅くなったけど備忘のメモ。

あの日を刻むマイク ラジオと歩んだ九十年
  • 『あの日を刻むマイク ラジオと歩んだ九十年』
  • 武井 照子
  • 集英社
  • 2022年07月20日
  • ISBN: 9784087444124
  • 集英社文庫(日本)

一九四五年八月十四日、当時二十歳のアナウンサーだった著者は、ラジオアナウンス室に集められてこう言われた。「明日、日本は負けます。もし何かあってもあなたたちは自分の身を守りなさい」。大正時代に生まれ、豊かだった幼少期から戦争を経て、高度経済成長期、東日本大震災、平成から令和へ。“NHKで働く母親第一号”として、ラジオの歩みとともに、日本の歴史を見続けた女性の人生。

イヴリン嬢は七回殺される
  • 『イヴリン嬢は七回殺される』
  • スチュアート・タートン/三角 和代
  • 文藝春秋
  • 2022年07月06日
  • ISBN: 9784167919139
  • 文春文庫

舞踏会の夜、イヴリン嬢は殺される。その謎を解くのがおまえの任務だ。ルール#1:事件を解決するまで、この一日はずっとループする。ルール#2:新たなループに入ると意識は別の人間に転移している。ルール#3:探偵役はおまえ一人ではない。ルールは以上だ。さあ事件に挑め。究極の特殊設定みステリ登場。

# 文庫情報

2022年7月のちくま文庫から。

平成古書奇談
  • 『平成古書奇談』
  • 横田 順彌/日下 三蔵
  • 筑摩書房
  • 2022年07月11日頃
  • ISBN: 9784480438232
  • ちくま文庫 よー10-4

フリーライターをしながら作家を志す25歳の馬場浩一は、街の古書店、野沢書店に出入りしている。店主の野沢勝利と娘の玲子と懇意にしながら、趣味や仕事、執筆の資料として出会う古書を通じて不思議な事件や謎にぶつかる。古書マニアの著者が知る業界の事情を巧みに盛り込み、SF、ホラー、ファンタジーを横断する連作集。平成の隠れた古書ミステリが初書籍化。日下三蔵氏による編者解説も併録。

ジャンパーを着て四十年
  • 『ジャンパーを着て四十年』
  • 今 和次郎
  • 筑摩書房
  • 2022年07月11日頃
  • ISBN: 9784480438287
  • ちくま文庫 こー2-2

結婚式でも大使の前でも、いつでもジャンパー。柳田國男に破門され、「考古学」ならぬ「考現学」を生み出した今和次郎。戦前戦後の日本社会を市中から観察してきた著者がユーモアたっぷりに服装文化の古今東西を語りだす。“服”とは一体なにものなのか。世間に溢れる“正装”“礼儀”“エチケット”とは、“装う”という行為の意味は?時代を超える隠れた名著、待望の復刊!

# 文庫情報

2022年7月の河出文庫から。

ディフェンス
  • 『ディフェンス』
  • ウラジーミル・ナボコフ/若島 正
  • 河出書房新社
  • 2022年07月06日頃
  • ISBN: 9784309467559
  • 河出文庫

どこか特別な少年ルージンは、チェスの神童として注目される。家族と離れ、世界で対局を続けるうちに、芸術家として彼を敬愛する女性と出会う。ベルリンの大会を絶好調で過ごす彼は、手強いイタリア人トゥラーティとの対決を迎える。

紺青のわかれ
  • 『紺青のわかれ』
  • 塚本 邦雄
  • 河出書房新社
  • 2022年06月07日頃
  • ISBN: 9784309418933
  • 河出文庫

同じ男に想いを寄せた美術家姉弟の悲劇「月蝕」、冥界に迷い込んだ男と禁忌を破り囚われている男の束の間の交感「冥府燦爛」、師と共に蒼の世界を求めた青年に忍び寄る悪意「紺青のわかれ」-。秘めやかな愛に身を捧げ、儚い最期を迎える男たち。現代短歌の鬼才が精緻に煌びやかに織り上げた十の迷宮へようこそ。

ガルシア=マルケス中短篇傑作選
  • 『ガルシア=マルケス中短篇傑作選』
  • ガブリエル・ガルシア=マルケス/野谷 文昭
  • 河出書房新社
  • 2022年07月06日頃
  • ISBN: 9784309467542
  • 河出文庫

「大佐に手紙は来ない」「純真なエレンディラと邪悪な祖母の信じがたくも痛ましい物語」など、世界文学の最高峰が生みだした永遠の傑作たち。世界一美しい鳥かごを作った大工、中庭で見つかった年老いた天使、朽ちることのない少女の遺骸、割れた電球から流れだす金色の光…。多面的な魅力を凝縮した新訳決定版。

# 文庫情報

2022年7月の中公文庫から気になるもの。

八代目正蔵戦中日記
  • 『八代目正蔵戦中日記』
  • 林家 正蔵/瀧口 雅仁
  • 中央公論新社
  • 2022年07月21日
  • ISBN: 9784122072350
  • 中公文庫 は77-1

噺家・八代目林家正蔵(後の彦六)が残した膨大な日記より、昭和16年12月1日から20年8月31日の記述を摘録。清貧に徹した長屋での暮らしぶり、謹厳実直で「トンガリ」とあだ名された反骨精神がにじむ活き活きとした筆致に、蝶花楼馬楽時代の名人の素顔が窺える。戦時下における東京下町の日常を伝える貴重な一級資料でもある。

疎開日記
  • 『疎開日記: 谷崎潤一郎終戦日記』
  • 谷崎 潤一郎
  • 中央公論新社
  • 2022年07月21日
  • ISBN: 9784122072329
  • 中公文庫 た30-60

第二次世界大戦下、激しい空爆をさけて疎開した文豪が、きれぎれに思いかえす平和な日の記憶。表題作と、戦後すぐに発表した随筆を収めた『月と狂言師』をもとに、文庫初収載になる戦時下の永井荷風、吉井勇との往復書簡などを増補した谷崎版「終戦日記」。

統帥乱れて
  • 『統帥乱れて: 北部仏印進駐事件の回想』
  • 大井 篤
  • 中央公論新社
  • 2022年07月21日
  • ISBN: 9784122072275
  • 中公文庫 お98-1

フランスとの合意を無視し武力進駐を強行しようとする現地陸軍。派遣艦隊司令部は断固阻止せんとするも、1940年9月、ついに「協力不可能、離脱セヨ」との命令が。軍部が国策を引き摺るという不条理が顕わとなった、仏印進駐の“失敗の本質”が浮かび上がる迫真の記録。阿川弘之推薦文、半藤一利によるインタビューを付す。

文と本と旅と
  • 『文と本と旅と: 上林曉精選随筆集』
  • 上林 曉/山本 善行
  • 中央公論新社
  • 2022年07月21日
  • ISBN: 9784122072282
  • 中公文庫 か95-1

「昔は僕も新刊書の匂いが好きであったが、この頃は古本の匂いがずっと好きになった」。文章、本(古本)、旅、酒、そして人…。私小説作家・上林曉の魅力が伝わる題材に寄せて、全生涯にわたる名文を精選。愛書家の心に染み入る随筆業。

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