2025年2月

4日 1

新刊文庫のメモを復活させてみる。続かないかもしれないけれど、備忘録ということで。2025年1月刊行の文庫から。

「俳優」の肩ごしに
  • 『「俳優」の肩ごしに』
  • 山崎 努
  • 文藝春秋
  • 2025年01月04日
  • ISBN: 9784167923242
  • 文春文庫

実人生と俳優業の原理は似ているーー橋のたもとの恐ろしい狂人、淡い憧れを抱いた女先生、父の復員と死……幼年期から少年期の記憶の断片は演技の原点となり、やがて独自の表現へと昇華した。波乱の人生を駆け抜けた孤高の俳優が、特異な視点で自由自在に綴った初の自伝。付録に山下澄人との対談を収録。特別寄稿・山下智 …

田中角栄の昭和
  • 『田中角栄の昭和』
  • 保阪 正康
  • 朝日新聞出版
  • 2025年01月08日頃
  • ISBN: 9784022621078
  • 朝日文庫

昭和の時代は3人の首相で総括できる。東条英機、吉田茂、田中角栄だ。では田中は、昭和後期の日本人のどんな姿を映し出しているだろうか。田中とは、何者だったのだろうか。大衆の欲望を充足させ、精神なき物量世界を作り上げた異能宰相の軌跡を、昭和史研究の第一人者が歴史の中に正しく位置づける。解説は、『ロッキード …

ハワーズ・エンド
  • 『ハワーズ・エンド』
  • フォースター/浦野郁
  • 光文社
  • 2025年01月09日
  • ISBN: 9784334105419
  • 光文社古典新訳文庫

二十世紀初頭の英国。富裕な新興中産階級のウィルコックス家と、ドイツ系で教養に富む知識階級のシュレーゲル姉妹、そして貧しいバスト家の交流を通じ、格差を乗り越えようとする人々の困難や希望を描いた、フォースターの代表作。

軽いめまい
  • 『軽いめまい』
  • 金井 美恵子
  • 講談社
  • 2025年01月13日頃
  • ISBN: 9784065381410
  • 講談社文芸文庫

郊外の住宅地にある築七年の中古マンションで、夏実は夫と小三と幼稚園児二人の息子と暮らしている。専業主婦の暮らしに何といって不満もなく、不自由があるわけでもない。けれど蛇口から流れる水を眺めているときなどに覚える、放心に似ためまいーー。 1990年代の東京。「中産階級」の変わることのない日常。2023 …

新編 イギリス名詩選
  • 『新編 イギリス名詩選』
  • 川本 皓嗣
  • 岩波書店
  • 2025年01月17日頃
  • ISBN: 9784003227329
  • 岩波文庫 赤273-2

ページを開けばきっと、声に出して読みたくなるーー詩人たちの〈歌う喜び〉を感じさせてやまない、イギリスの名詩の数々。一六世紀のスペンサーから二〇世紀後半のヒーニーまで、もっとも愛され親しまれている九二篇を、英語の原詩・和訳ともに堪能できる対訳で編む。日本の読者の理解を支える注釈・解説も充実、待望の新 …

ロシア文学を学びにアメリカへ?
  • 『ロシア文学を学びにアメリカへ?: 増補版 屋根の上のバイリンガル』
  • 沼野充義
  • 中央公論新社
  • 2025年01月22日頃
  • ISBN: 9784122076068
  • 中公文庫 ぬ3-2

1980年代、ロシア文学を専攻していた著者は、ソ連ではなく米国へ飛んだ。 ハーバード大で古代教会スラヴ語を習得し、街角でポーランド移民と交流。 多様な文化を内包する「サラダボール」の国で得た体験と考察をユーモラスに綴る、ヌマノ教授の原点たるエッセイ。 「ハーバード生活から三つのエピソード」他を新規収 …

昭和時代回想
  • 『昭和時代回想: 私説昭和史3』
  • 関川夏央
  • 中央公論新社
  • 2025年01月22日頃
  • ISBN: 9784122076044
  • 中公文庫 せ9-6

初刊時、世が「平成」となって10年あまりが経ち、「昭和」はすでに懐かしむ対象となっていた 日本人のありようを見つめる著者が、自身の個人史的随想と昭和を生きた作家への思いを軸に、かつて確かに存在した清々しい日本の姿、静かなる停滞(=老い)へと向かう自身の内面を綴った「昭和」アンソロジー。 穏やかだが切 …

目白雑録1
  • 『目白雑録1: 日々のあれこれ』
  • 金井美恵子
  • 中央公論新社
  • 2025年01月22日頃
  • ISBN: 9784122076013
  • 中公文庫 か15-7

2002年4月から2005年1月まで、世に現れた様々な言説、小説、映画を取りあげ、鋭い批評性と切り口でばっさり読み解く、素敵で過激なエッセイ集!  もちろん愛猫トラーも登場!

空とぶ絨緞
  • 『空とぶ絨緞』
  • 堀内誠一
  • 中央公論新社
  • 2025年01月22日頃
  • ISBN: 9784122076082
  • 中公文庫 ほ23-2

チュニジアの魚介スープ、台湾の屋台飯、ウクライナの肉団子をたいらげ、 国宝の美術品から露店の玩具までこよなく愛した堀内さん。 世界の美食・秘宝・島々をぐるりととび回る! 「パンパンになったお腹をなでなで、食後酒のグラッパをやってると、 いつしか自分がまるで常連客だったようにくつろいでいる。」 カ …

複眼人
  • 『複眼人』
  • 呉 明益/小栗山 智
  • KADOKAWA
  • 2025年01月24日頃
  • ISBN: 9784041146897
  • 角川文庫

太平洋に浮かぶ神話的な島と、近未来の台湾。二つの島に巨大な「ゴミの島」が押し寄せる時、謎の「複眼人」が姿を現すーー。世界14か国で翻訳。台湾現代文学の担い手による代表的長編、待望の本邦初訳!

私はいかにハリウッドで100本の映画をつくり、しかも10セントも損をしなかったか
  • 『私はいかにハリウッドで100本の映画をつくり、しかも10セントも損をしなかったか』
  • ロジャー・コーマン/ジム・ジェローム/石上 三登志/菅野 彰子
  • 早川書房
  • 2025年01月27日頃
  • ISBN: 9784150506148
  • ハヤカワ文庫NF

2024年5月に98歳で亡くなり、『アッシャー家の惨劇』など数々の低予算映画を成功させてきたコーマンが撮影手法と人生哲学を語る

いのちの記憶
  • 『いのちの記憶: 銀河を渡る2』
  • 沢木 耕太郎
  • 新潮社
  • 2025年01月29日
  • ISBN: 9784101235370
  • 新潮文庫

こことは別の場所に行き、ここにいる自分とは別の自分になってみたいーー。盗賊にさらわれることに憧れていた少年時代、シルクロードを旅する私に父が詠んだ一句、北欧の小さなホテルでの会話から得た教訓、外の世界へと足を向かわせた熱の正体、人生の岐路となった『危機の宰相』、高倉健との偶然の出会いから始まった交 …

火山のふもとで
  • 『火山のふもとで』
  • 松家 仁之
  • 新潮社
  • 2025年01月29日
  • ISBN: 9784101055718
  • 新潮文庫

ぼくが入社した村井設計事務所は、ひと夏の間、北浅間の「夏の家」へ事務所を移動する。そこでは稀有な感性をもつ先生のもと、国立現代図書館の設計コンペに向けての作業が行われていた。もの静かだけれど情熱的な先生の下で働く喜びと、胸に秘めた恋。そして大詰めに迫った中で訪れる劇的な結末。ただ夏が過ぎても物語は終 …

この国のかたちを見つめ直す
  • 『この国のかたちを見つめ直す』
  • 加藤陽子
  • 毎日新聞出版
  • 2025年01月14日頃
  • ISBN: 9784620210780
  • 毎日文庫

日本近現代史の泰斗、東京大学教授の加藤陽子氏が、国家と国民、東日本大震災、天皇と天皇制、戦争の記憶、世界と日本、そして日本学術会議会員任命拒否問題を論じる。戦後80年を前に話題のベストセラー、待望の文庫化!

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