メモ

2023年11月刊行のちくま文庫とちくま学芸文庫から気になるもの。

出久根達郎の古本屋小説集
  • 『出久根達郎の古本屋小説集』
  • 出久根 達郎
  • 筑摩書房
  • 2023年11月13日頃
  • ISBN: 9784480439161
  • ちくま文庫 てー10-5

古本屋店主にして作家となった出久根達郎。その古本小説のなかから傑作を選び出したアンソロジー。少年時代の本との出会い、下町の古本屋での修業時代、独立後の苦労など、著者自身の体験を作品化したもの。本に憑りつかれた人々の妄執の凄まじさ、一冊の本に込められた思い、人と本が織りなす様々な人生模様を描いた作品23編を収録。オリジナル・アンソロジー。

橙書店にて
  • 『橙書店にて』
  • 田尻 久子
  • 筑摩書房
  • 2023年11月13日頃
  • ISBN: 9784480439215
  • ちくま文庫 たー101-1

熊本にある本屋兼喫茶店、橙書店の店主が描く本屋と「お客さん」の物語。石牟礼道子さんが逝った日「ただただ悼みたい」と訪れた人。“書くこと”を焚きつけた渡辺京二さんの言葉。縁あって催した“村上春樹朗読会”の夜。雑誌『アルテリ』に寄稿するハンセン病患者「関さん」と交わした握手ー。文庫版のための書き下ろし・単行本未収録エッセイを増補する。

晩酌の誕生
  • 『晩酌の誕生』
  • 飯野 亮一
  • 筑摩書房
  • 2023年11月13日頃
  • ISBN: 9784480512161
  • ちくま学芸文庫 イー54-4

万葉の昔からはじまり、江戸時代に花開いた日本人の家飲み。当初健康のため、安眠のために飲まれていた「寝酒」は、灯火の発達とともにゆっくり夜を楽しむ「内呑み」へと変わっていく。飲まれていたのは濁酒や清酒、焼酎とみりんをあわせた「本直し」等。肴は枝豆から刺身、鍋と、現代と変わらぬ多彩さ。しかも、振り売りが発達していた江戸の町では、自分で支度しなくても、家に居ながらにして肴を入手することができた。さらに燗酒を売る振り売りまでいたため、家に熱源がなくても燗酒が楽しめた。驚くほど豊かだった日本人の家飲みの歴史を繙く。

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