なんとなく『中央公論』2023年1月号を読んでみる。特集「効率重視の教養は本物か」。武田徹「文字リテラシーを守るために」。前半、パースの議論を用いて、伝達メディアが「象徴」の段階から後退して「指標」「類像」を中心にしてしまっているとの議論は、なるほどと思った。とはいえ、後半、その「象徴」メディアたる文字メディアを守るために、「である体B」から「です・ます体」に変えていくこと、そのような多様性を受け止める柔軟な言語空間をつくることが提起されているのだけど、よくわからない。「指標」「類像」メディアが中心になりつつある傾向に対して、文体の変化だけで対応できるのかな。パースの伝達メディアの3類型のロジックそれ自体から、何か新しい方向性を考えていく必要があるような気もするのだけど……。具体的にはぜんぜんわかりませんが。
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