映画『セッション』（2014）を配信で見ました。
実に見応えがあって、かなり引き込まれました。俳優さんの迫真の演技、キリキリと引き絞ったような演出もすばらしかったと思います。最後の演奏シーンは、もうたいへんな迫力。
ほんとにすごい映画だと思ったのですが、でも、あらためて考えてみると、これって、結局、とんでもないパワハラ・アカハラ教員とそれに巻き込まれた学生のお話なんだなと思ったり。
なんというか、猛獣たちが猛り狂っている様子を見ているというか、その迫力に押されているというか、そんな感じもあります。だからまあ、常軌を逸したものに魅了されているだけみたいな……。
あと、教員が何かいいことを言っているように見えて、どこまで本気なのかわからなくなることも気になりました。だって、そのあとの学生への仕打ちを見ると、結局、ハラスメントをしたいだけなんじゃないかなと。あるいは本人も自分が何を求めているのか、もうわからなくなっているのではないかなと。
もう一つ、最後の一連のシーンは、ごたくすべてをなぎ倒すようなそういう迫力に満ち満ちていたと思うのですが、でも、なんだか、音楽ってそんなに戦闘的でなくてもよいのではないか、もっと歓喜に溢れたものではなかったかとも思いました。
ともあれ、一見の価値ありは間違いないです。ほんとに。
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