2022年7月の中公文庫から気になるもの。
- 『八代目正蔵戦中日記』
- 中央公論新社
- 2022年07月21日
- ISBN: 9784122072350
- 中公文庫 は77-1
噺家・八代目林家正蔵(後の彦六)が残した膨大な日記より、昭和16年12月1日から20年8月31日の記述を摘録。清貧に徹した長屋での暮らしぶり、謹厳実直で「トンガリ」とあだ名された反骨精神がにじむ活き活きとした筆致に、蝶花楼馬楽時代の名人の素顔が窺える。戦時下における東京下町の日常を伝える貴重な一級資料でもある。
- 『疎開日記: 谷崎潤一郎終戦日記』
- 中央公論新社
- 2022年07月21日
- ISBN: 9784122072329
- 中公文庫 た30-60
第二次世界大戦下、激しい空爆をさけて疎開した文豪が、きれぎれに思いかえす平和な日の記憶。表題作と、戦後すぐに発表した随筆を収めた『月と狂言師』をもとに、文庫初収載になる戦時下の永井荷風、吉井勇との往復書簡などを増補した谷崎版「終戦日記」。
- 『統帥乱れて: 北部仏印進駐事件の回想』
- 中央公論新社
- 2022年07月21日
- ISBN: 9784122072275
- 中公文庫 お98-1
フランスとの合意を無視し武力進駐を強行しようとする現地陸軍。派遣艦隊司令部は断固阻止せんとするも、1940年9月、ついに「協力不可能、離脱セヨ」との命令が。軍部が国策を引き摺るという不条理が顕わとなった、仏印進駐の“失敗の本質”が浮かび上がる迫真の記録。阿川弘之推薦文、半藤一利によるインタビューを付す。
- 『文と本と旅と: 上林曉精選随筆集』
- 中央公論新社
- 2022年07月21日
- ISBN: 9784122072282
- 中公文庫 か95-1
「昔は僕も新刊書の匂いが好きであったが、この頃は古本の匂いがずっと好きになった」。文章、本(古本)、旅、酒、そして人…。私小説作家・上林曉の魅力が伝わる題材に寄せて、全生涯にわたる名文を精選。愛書家の心に染み入る随筆業。
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